2012年
ユニクロの【新ヒートテック 10万人応援プロジェクト】のために作られた特別サイトのための音楽を石田多朗が作曲いたしました。


直接関わらせていただいたのはspfdesignの鎌田さん、高田さん、山本さんでした。
とても丁寧にものを作られている姿をいまでもよく覚えています。
2011年の大きな地震のわりとすぐあとに制作されたサイトだったからなのか、
なんだか、とくべつな思いがあって作られていることを感じていました。
あくまでも作っているものは音楽ではあるのですが、
冬の寒い中、働いている人たちに少しでも暖かさを与えることができれば・・
そういう気持ちで作曲をしました。
もう随分と昔のものなので、作曲に拙い部分も多々有ります。
また、演奏も下手ですねぇ・・・すみません。。
それでも良かったら聴いてみて下さい。
TaroIshida_Uniqlo"Heattech"
※一部分のみになります。
今後はコンサートなどで、もっと上手に弾きます。
作曲家として自分のなかには幾つかの「流れ」があります。
藝大にいるときに学んだあるものが発展して、今につながる流れ、
ニューウェーブをたくさん聴いて身についたものから続く流れ。
一人の作曲家には複数の流れがきっとあります。
でも、一人の作曲家の中には、おそらく、そんなにたくさんの流れは生まれません。
ある作曲家が生み出した音楽を
「こういうタイプの曲、こういうタイプの曲と」と分けていくとします。
すると、一見バリエーション豊富な作曲家であるように見えても、
その源流を辿ると、おそらくそんなに数は多くないでしょう。
長くなるので理由ははぶきますが、
このユニクロの曲は自分にとってその数少ない音楽の流れの一つとなりました。
作曲に苦しんでいた、ある瞬間に あ!となにかが解けたんです。
いまでもありありと思い出せます。
どうしても作曲ができなくて、「どうしたらいいんだろう、、」と悩んでいたときに、
そうだ!頭に不思議なショックを与えよう!とかんがえ、
食事(うどん)を手に持ったまま玄関に行って靴を履いてみました。
それから何口かうどんを食べたんです。
足は出かけようとする、けれども口は食べようとする、
で脳が混乱して、なにかが起きるといいな、と思ったのですが・・
実際に、その瞬間にできました。
めずらしく変化球が上手くいった例ですね。
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2012年以降、本曲の流れを組む音楽をたくさん作ってきました。
例えば、たとえば、2019年に作曲した「豊原駅の歌」は、それの最新版です。
同じ曲がその形を変え、変化・成長していく。
そういうことが作曲家の中では起きています。
自分にとって数少ない音楽の流れを生み出すきっかけとなった
大事な作品となりました。
今聴くと、本当に拙い部分があるのですが(しつこい)、
それでも大事な曲に変わりはありません。
こういったものを作り出すことができる機会を与えてくださった
spfdesignの方々には大変感謝しています。